私は第63首の中で「タナマタ」部分にどうも気になる引っかかりを感じていた。
「タナ=手の」という古語辞典の示しには納得している。
だが「タナ」の音の響きには「もっと根本的に重要な意味」が在るんじゃないか…
そんな気がしてならなかったのです。
「ムネニ タナマタ」ここにもっと深く重要な意味がある気がするんだよ~
ってことで しつこく深追いしてみた結果、
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ちょうど第63首の解読をしている時
時を同じくして私は古神道の「富貴印とその呪文」について知識を得たのです。
”福徳(さねさお)や、富徳(とさお)貴徳(むねさお)~※以下省略”
サネの音に「福」という意が⁉
サオ(ヲ)の音に「徳」の意が⁉
と、これまで思いもつかなかった「示し」の可能性を得たのです。
んで、もう一度、第63首を見つめ直してみた。
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一字一音で示されているから
一音のヒビキがそれぞれ重要な意味を以っているウタなんだろう。
そこで古語辞典を片手に「タナ」を「タ+ナ」で調べ直してみた。
私がピンときたものをここに記しておく。
- た(上代語で「為」の意)⇒つまり「目的」
- な(名・字=ひらがな とかの「な」)
確か以前「カムナ」の「ナ」について調べた時に
「カムナ=カムの意・希望+その実現のために動くこと」と知ったので
「ナ」には「意・意志・意図実現~核」という意味もあることを合わせると…
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「たな」=目的+核+名・字⇒つまり「ロゴス」じゃないか!?
という閃きが舞い降りてきたのです。
「たなまた」とは
たな(ロゴス)が感受された間(マ)が(正反に)分かれ出る(タ)
⇒たなの間(ロゴスを感受した間)が分かれ出る
つまり「たなまた」という音の響きは
なた=ロゴスが目的核(中心核~生命核)となったマ(アマ~小アマ)の出現を
示している壮大な「ことば」なんじゃないか!?と思うようになったのです。
まだまだ、日本語の複雑にして精密な構造には底知れない謎多し。
(つづく)