「ロア シーズン2」第5話:メアリー・ウェブスター ハドリーの魔女
を観たので深夜映画部感想日記書いていきます(^^)
どうも~酒と映画と本が好きな暇人・プロ独女みつまるです。
今日はヨーロッパやアメリカで実際に無実の人々が多く処刑された
「魔女裁判」に関係するお話でした。
確固たる証拠もなく魔女にされ
処刑されていった人たちの無念と
権力者の思い込みがどんどん村人を侵食していく姿は恐怖です。
- セイラム事件の11年前にとある村で起きた魔女狩り事件
- 集団の中ではすべてが歪む~真実よりも力と数がものをいう
- 人は恐怖・恐怖の前に思考停止し「全部魔女のせい」にしてしまう
- 集団の狂気の中、それでも正しくモノを見るためには
セイラム事件の11年前にとある村で起きた魔女狩り事件
セイレムの魔女裁判が起こる11年前、
とある村で起きた魔女狩りのお話です。
街を支配するのは聖職者である病に倒れた権力者は
自分の病がいっこうによくならないのも
この村のはずれに暮らす老女メアリー・ウェブスターのせいだ!
という妄想に憑りつかれている。
街のみんなは毎日彼の家に見舞いに尋ね
祈りをささげご機嫌取りに忙しい。
町一番の権力者の妄想を疑心暗鬼で信じるようになる村人により
メアリーは殴られ絞首刑にされた。
だが一人の少女はメアリーが悪い人ではないことに気がつき
彼女を狂った村人たちから助けようとしていたのです。
そんなこの村でただ一人真実が見えていた少女の目線で描かれたお話。
集団の中ではすべてが歪む~真実よりも力と数がものをいう
集団の中というのは
とかく全てが歪みやすい。
小さく閉じた集団ほど
その中は独特なルールと秩序で保たれている。
真理真実はどうであれ
その集団の中の人々が「思う」ことが現実とされる。
- 学校という独特な空間でおこる「いじめ」や支配関係
- 仲良しグループという奇妙な監視関係
- 家族という1つの小さな社会
- 会社という内側組織
などなど
人間は社会性のある動物なので群れをつくり
その中で生きていことでどこか安心する生き物だけど
群れごとに独自の社会を形成していく。
人間は視野が広くなるほど理論的思考が働き
閉じた世界で視野が狭くなるほど本能的、感情的思考になるようだ。
集団の中では力あるモノの意見と
多数派が正義であり現実を作り上げていってしまう。
そういったことがよくわかるのは「ロア2」第5話です。
人は恐怖・恐怖の前に思考停止し「全部魔女のせい」にしてしまう
全ては原因と結果の因果関係で物事はできていますが
人は時に大きな不安や恐怖の前に考える事をやめてしまう。
- 貧困
- 病い
- 天災
など「なんで、どうして」と考えても答えのでない理不尽な状況にあるとき
その大きな問題の根にある原因を見つけるために苦悩するよりも
手っ取り早い答えを欲しがってしまう。
- 運が悪い
- 神の怒り
- 悪魔のしわざ
- 魔女のしわざ
- 悪霊のしわざ
- 前世のせい
- 宇宙の意思
などなど、原因がわからない状態に耐えられない場合
とりあえず「何かのせい」「誰が悪い」と思い込んで
わからない不安から逃げようとするのだ。
証明のしようもないけど
100%否定もできない部分に逃げちゃう。
魔女狩りの時代はとにかく「原因」を実体化し、
「原因を消滅」させるために無実の女性たちが
魔女という人柱にされたのだ。
怖すぎ!
今のネット社会で世界中がつながる時代よりも
だいぶ社会が小さい集団で閉じていましたからね。
ですが、人間の本質はこの時代からほとんど変わっていないのです。
紀元前5世紀のソフィストが溢れ人気となった時代と今が似ているし。
集団の狂気の中、それでも正しくモノを見るためには
思考をあきらめないこと
しかないようですね。
だいたい歴史を見ても
その当時は偉い人、賢い人、すごい人とされた人達が
人々を率いて導いてきたわけですが
間違いも多く、多くの人が犠牲になったこともたくさんあるわけです。
すごい人も
偉い人も
賢いとされる人も
実際はそれほど私たちと大差ないんじゃない?!
くらいに思って
「自分の頭で考える」ことをサボらないようにしよっと。
こういった原因がわからない恐怖や不安の犯人探しの犠牲になるのは
いつの時代も弱者だからね、気をつけよっと。
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