プロ独女のライフハックブログ

BBA独女みつまるが「今」気になることを追いかけ綴る人生冒険日記

【独女映画部】「おいしいコーヒーの真実」④~[WTO]強者がルールを決める国際貿易現場での弱者の叫び

お題「最近見た映画」

おいしいコーヒーの真実

非常に内容の濃いドキュメント映画なので感想が④まできてしまいました(^^;)

しかし今日の触れる部分こそ、

世界経済・世界貿易のリアルを知るために大事な部分なのです。

2003年のWTOの世界会議の様子を見ることができるのですが残酷です。

 

 

社会の教科書や受験勉強の時しか触れてこなかったWTO世界貿易機関)。

今回実際の様子を映像とインタビューで観ることができて

「国際会議はどの国も対等で平等な話し合いが成される」という

イメージがぶっ壊されました。

 

経済は闘いであり、弱肉強食で強い者がルールを決める。

大きなカジノ場のようでもあり、

コロッセウムのような場でもあります。

 

百聞は一見にしかず。

Amazonプライムビデオでプライム会員特典で私は観ました。

おいしいコーヒーの真実 [DVD]

おいしいコーヒーの真実 [DVD]

 

 

今日で映画「おいしいコーヒーの真実」の感想・考察はラストになります。

今回が一番濃厚で痛いかもしれない。

 

 

「おいしいっコーヒーの真実」感想・考察①~③はこちら

 

①~③はこちら

 

dokujyolife.hatenablog.jp

 

 

dokujyolife.hatenablog.jp

 

 

dokujyolife.hatenablog.jp

 

 では、最後に世界貿易のリアル、

WTOの国際会議でどのように国際通商ルールが決められていくのか?

弱者たちの叫びと共にお伝えします。

 

エチオピアの農家が飢えと貧困に苦しむ理由

コーヒー豆の価格の暴落により

コーヒー豆生産国の生産農家の暮らしはどん底の貧困にあえいでいる。

 

彼らは毎日長時間必死に働いている。

どんなに高品質の豆をたくさん生産しても

更に安く買いたたかれてしまう。

 

もう限界に近い、

コーヒー畑をチャット畑に変えるコーヒー農家が増えている。

東アフリカで広く使用される麻薬植物のチャットは高く売れるのだ。

 

チャットなら1年に2回収穫ができて

1束20本程が30ブルで売れる。

コーヒー生豆15kg分の稼ぎが、たった1束20本のチャットで手に入るのだ。

 

ただし、ヨーロッパやアメリカでは違法薬物である。

 

ここであなたも不思議に思いませんでしたか?

私はずっと疑問に思っていました。

「どうして自分たちの食生活につながる作物を栽培しないんだろうか?」と。

 

西欧諸国相手に嗜好品原料を栽培するよりも

自分たちが食べるモノをつくれば

国内市場で金と生産物が流通するし、

何よりも「食べることに困る」ことがグンと減るはず・・・と。

 

私の疑問に答えるかのように

エチオピアのコーヒー農家の男性が事情を語ってくれていました。

 

「農地は州(政府)から与えられた土地だから、おれたちはココから動くことができない。俺に割り当てられたこの農園はコーヒーとチャット以外の作物には適していないんだ・・・。」

更に彼は続けます。

 

「まっとうな植物や穀物を育てて稼ぎたくても簡単にはいかない」

「チャットなら依存者が高く買ってくれる。現金が必要なんだ!」

 

そういうことだったのか・・・・。

自分が日本という恵まれた土地に暮らしているので

まったく気づかず浅はかな疑問の目で彼らをみてしまっていました。

 

自給自足ができない土地。

現金がないと穀物を手に入れられない。

彼らが現金で買う穀物どこの国が生産したものだと思いますか?

 

ここに貧困国が貧困から抜けられない仕組みがあります。

 

この映画の中で後半大量に出てくる

小麦の袋に印刷された国名をチェックしてみてください。

 

更に深い闇に迫っていきます。

 

WTO国際通商ルールを決める現場で何が起きているのか?

WTOの現場を見る前に

知っておくべきことがあります。

 

映画本編中でも英文テロップで

タイプされたこの部分。

 

コーヒーだけでなく一次産品の生産者たちは

飢えと貧困に苦しんでいる。

 

一方、先進諸国は年間3000億ドルの予算で

自国の農業を保護する。

 

このことを脳裏に刻みながら

WTOが国際通商ルールを決める様子を見いていきましょう。

 

2003年のWTO会議には国際通商ルールを決める為

148か国の代表が集まり5日間の話し合いが行われた。

 

148か国の代表の人数は国や地域によってかなり差があります。

EUは650人、対するアフリカの小国の代表は3人なのです。

これで対等な話し合いが行なわれていると思いますか?

 

実際は小国・弱者は強者との交渉の場さえ与えられません。

WTOの会議というのは

全体が一度に話し合うのではなく

それぞれが個室で話し合いをしていくのです。

 

強い者同士がどんどん密室でルールを決めていく。

小国や弱者は蚊帳の外に置かれてしまうのです。

 

結果どんなことが決まったと言えば、

小国代表がインタビューで教えてくれました。

EUアメリカは現状に固執し、自国の農業保護を続けていくつもりだ。

この20年間IMF世界銀行はアフリカ諸国による農業支援を禁じてきました」

 

EUアメリカが合意すれば、

それが新しいルールになるのです。

 

なんとか国際貿易の現状を変えたいアフリカ諸国に対して

ルールを決める強国の意見は「現状維持」、

そしてどうなったかといえば・・・現状維持なのです。

 

エチオピアの人々の叫び

エチオピアが貧しいのは、国際貿易の不公平のせいさ!

安さだけ求められる世界市場で太刀打ちできない」

年間3000億ドルの予算で国を挙げて自国の農家を保護する国に

太刀打ちできないのです。

 

支援物資に頼るしかないアフリカ諸国

アフリカ諸国の代表たちはWTOの場で叫んでいました。

カメラの前でこう叫んでいました。

 

「必死に働いても自立できない。支援物資に頼るしかない。

そんな国の将来に希望が持てるかね?」

 

エチオピアでは毎年700万人が

緊急支援物資の援助を受けている。

 

現在のアフリカ諸国はかつてないほど

緊急支援に依存せざるえない状態にある。

 

彼らに支援物資を提供してくれている国は

WTOで国際貿易ルールを決める時に

彼らの声を聞き入れてくれない国なのだ。

 

エチオピアの人が心から望んでいるのは

支援物資ではない。

「公平な貿易を」ずっと叫んでいる。

 

世界貿易に占めるアフリカのシェアは過去20年間で

1%にまで減少

 

アフリカの輸出シェアが1%増えれば

年間700億ドルを創出できる。

 

この金額は現在アフリカ全体が受け取っている

援助額の5倍に相当する。

 

 

タデッセさんたちの未来への投資

映画の最後に

タデッセさんたちの尽力で

フェアトレードで出たコーヒー農家の村の利益を

どうするかみんなで集まって話し合う場面が映し出されていた。

 

そこではあんなに「現金が必要だ」と叫んでいた彼らなのに

「子供たちのために学校にお金を投資しよう」と決まった。

 

驚くことに非常にすんなり

みんなが「子供たちのために、将来に投資」を望んだのだ。

いますぐ現金欲しいはずなのに。

 

何を変えなくてはならないか、

自分たちが何と闘っているのか、

何が必要なのか、

私よりよっぽど彼らの方がわかっている。

 

彼らは賢い。

そして身体能力も高く、

真面目で勤勉だ。

 

このドキュメントは2003~2005に制作されているようだが

今後エチオピアの人たちはもっと強く、力も持つはず。

 

その時彼らよき友、隣人となれるように日本はどうすべきでしょうか?

私たちはどうすべきでしょうか?

 

あの土地で地元の人の食を支える農作物は

日本の技術や知識など振り絞っても無理なんでしょうか?

 

そんな考えがぐるぐると頭の中で渋滞しています。

何の気なしに見たドキュメント作品ですが

見ることができて良かった1本です。

 

では、また~☆

 

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ おひとりさまへ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

チョコレートの真実

チョコレートの真実

 

 

 

わたし8歳、カカオ畑で働きつづけて。―児童労働者とよばれる2億1800万人の子どもたち

わたし8歳、カカオ畑で働きつづけて。―児童労働者とよばれる2億1800万人の子どもたち