悪魔祓いホラー映画かと思って見たら、痛烈な社会批判映画だった。
少女だと思っていた主人公が27歳の大人の女性だった。
(※映画の中で神父も「少女」って言ってたのに・・・)
少女の定義が揺らいだ作品。
どうも、プロ独女みつまるです。
99.99を飲んだことで
途中で寝堕ちしてしまった映画「バチカンテープ」を
ちゃんと見直しました!
ポスターとタイトル的に悪魔祓い映画って思うよね。
先に言っておくと
悪魔憑きの少女(といっても27歳)とバチカンの悪魔祓い神父1名+助手神父1名
の悪魔祓いシーンはメインですが
どちらかというと悪魔付少女が他者に及ぼす力を見せつけるシーンの方が多いです。
更にいうと
この映画が悪魔祓い映画でない理由は
悪魔が祓えないままで終わるからです。
が、ここから先が私的には面白かった。
この映画の感想口コミでみると
悪魔が祓えなかった後にガッカリしている人が多いようです。
この先が妙に現実社会とリンクしているし
監督はここが言いたくて作った映画なんじゃないかな?と
思っています。
ということで今回も率直な感想と気になった部分を書いていきます。
悪魔が祓えない悪魔祓い映画
この映画のメインは「悪魔祓い」うんぬんではないので
まーそうなるよねと私は思うのですが
ここに納得いかない人が多いようです。
この映画を最後まで見れば
祓えない悪魔と同居している人間ってめちゃくちゃ多いんじゃない?
悪魔とガッチリ握手してお互いwin-winみたいな人結構いるよね
って思うはずです。
とはいえ、
悪魔が完全に少女の身体をのっとってからの
物理的現象はなかなか興味深いものがあります。
悪魔祓えなかった神父様もなかなかの死闘を繰り広げるので
そんなにダメ神父じゃないと私は思ったよ。
悪魔憑き少女のその後の活躍
この少女(27歳)は結局 悪魔に身体をのっとられ
悪魔の化身となります。
悪魔祓いの一件の後
建物ぶっ壊して逃走し
なんと!
悪魔の力で足の不自由な人を歩けるようにしたり、
目の見えない人の目を見えるようにしたり、
こうした活動をして
一気に人々の心を掴んでアメリカのニュース番組に
トークゲストとして招かれる有名人に!!!
しかもスーツをキリっときこなし
表情も大物女性経営者や政治家のようになってるし!!
宗教家⇒実業家⇒影響力付けて政治家コースかな?
そして彼女の奇妙な活動(非科学的で奇跡的)は
やはりアンチを生むわけで
インチキだ!詐欺だ!などのアンチの活動も活発化。
これがまた彼女を有名にするという・・・。
監督が現代社会に皮肉こめずぎ!!!
でも嫌いじゃないです、こういった監督の心意気。
監督の攻撃は更に続く
悪は神を模倣する
ということをしきりにメッセージとして
見るモノに刷り込んでくる映画になってる。
悪魔は神を模倣して人々に忍び寄ってくるんだって。
これって
「カラマーゾフの兄弟」でも書かれてたなぁ。
悪魔は弱っている人に寄り添ってきて
そっと肩を抱いて
耳元で甘い言葉をささやくんだって。
世の詐欺師たちが完全なる善人を装っていたり
人の不安につけこんでエゲツナイ利益をむさぼってる人が
ドヤ顔でセレブ生活自慢していたりという
あたりをチク、チクしたかったのかな・・監督。
本物の悪は「私は悪ですよ~」ってバカなアピールしないもんですよね。
この先は私個人的に気になったこと
書いていくよ。
悪魔憑きの人間が起こす現象が興味深い
- 宙に浮く
- 肉体がありえない動きや変形する
- 声が変わる
- 聖痕がでる
- 物を動かしたり破壊できる
- 人を操れる
- ものすごい力で暴れる
エクソシストでも描かれているモノに近いです。
人間として考えると「悪魔の仕業」のありえない現象なのかも
しれません。
でも私はどこか結局物理法則を越えてはいないじゃん!って気がしています。
人間を「肉体」という1つの物質と見ると
いろいろありえなく思える事も
人間も細胞の集合体で振動しているエネルギーと考えれば
どれも感覚の中にある映像イメージじゃないでしょうか?
心理学でも無意識下で人々はつながっているとも言われているし。
人が人を操るのってそんなに難しくなさそう。
宙に浮くのも
水の中で浮けるわけだし
その感覚ももってるわけだしね。
私が知識不足でわからなかったのは
「聖痕」ってキリストへの信仰の熱い人に現れると思っていたのですが
今回は「反キリストの証」って言われてた。
※状況とそれまでの過程でこの少女に現れた傷は悪魔の仕業ってわかったけどね
キリスト本人以外がその傷を模倣することが
既に冒涜で反逆行為なのかな?
すべての常識や自分の限界も自分の意識も取っ払うと
人の肉体の持つ力ってこのくらいできちゃうのかもね。
意識の力って偉大だ。
なんか別の方向に興味が湧いてきた私です。
「悪魔祓い」の戦後史―進歩的文化人の言論と責任 (文春文庫)
- 作者: 稲垣武
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1997/08
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 49回
- この商品を含むブログ (17件) を見る